はじめに
昨今、生成AIの発展により、エンジニアの業務効率は大きく向上しています。
しかし、実際の業務システムの開発にどう活用すればいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
AIには得意不得意があり、用途に合わせて使い分けることが重要です。
今回は、AIを4つの目的別に整理し、intra-mart開発における活用方法を紹介します。
目的別によるAIの紹介
本記事では、以下の4つに分類したAIをご紹介します。
● 文章生成・要約系AI
● コード生成・補助系AI
● 分類・判定系AI
● 分析・予測系AI
● 文章生成・要約系AI
文章生成・要約系AIは、人が読む文章を扱うことを得意とします。
主な用途:
・問い合わせ回答文の下書き作成
・申請内容や長文テキストの要約
・操作マニュアルや設計ドキュメントの生成
代表的な関連AIサービス:
・Gemini:文章生成・要約・言い換えなど汎用的に利用可能
・Claude:長文入力や要約が得意
● コード生成・補助系AI
コード生成・補助系AIは、プログラムの作成や理解を支援することを得意とします。
主な用途:
・スクリプト開発
・コードレビュー(ロジックの脆弱性指摘やリファクタリング案の提示)
代表的な関連AIサービス:
・GitHub Copilot:エディタ上でのリアルタイムにコード補完・生成
・ChatGPT:コード例の提示やロジック解説
・Codeium:無償枠があり、補完性能も高い
● 分類・判定系AI
分類・判定系AIは、入力されたデータがどのカテゴリに属するか判断することを得意とします。
主な用途:
・問い合わせ内容のカテゴリ分け
・処理ルートや優先度の判定
代表的な関連AIサービス:
・Azure OpenAI Service:業務システム連携向けに利用しやすい
● 分析・予測系AI
分析・予測系AIは、数値や履歴データから傾向を捉え、未来の予測や異常検知を得意とします。
主な用途:
・ログデータの分析
・利用傾向の把握
・異常検知
代表的な関連AIサービス:
・BigQuery ML:大量の蓄積データを活用し、本格的な予測モデルを構築。
intra-martとAIの役割分担
「IMのAPIを利用したコード実行の考え方」
ここまで紹介したAIは、あくまで「考える」「判断する」役割を担います。
実際の業務処理(登録・更新・起動など)を行うのは intra-mart です。
その橋渡しとなるのが intra-martのAPI です。
基本的な役割分担
・AI:曖昧な入力を解析し、「何をすべきか」という判断結果を返す。
・IM:APIで業務処理を実行する。
このように役割を明確に分けることで、安全にAIを業務へ組み込むことができます。
intra-martでの活用
作成したい機能のスクリプトをAIを活用して作成してみます。
今回は、IM-LogicDesigner JavaScript定義内を使用します。
実装するスクリプト:
・ログインユーザの情報を取得
・ユーザコード、ユーザ名、メールアドレスを返却
1.作成する機能のプロンプトを生成
いきなりコードを書かせるのではなく、まずはAIに「IMの仕様に沿ったコードを出力させるためのプロンプト」を作成してもらいます。
※今回、文章生成AIで紹介した「Gemini」を使用します。
機能要件とAPI等の参照元を明示した入力により以下のようなプロンプトが生成されました。
# 依頼 intra-mart Accel PlatformのLogicDesigner(JS定義)で使用する、ログインユーザ情報を取得するスクリプトを作成してください。 # 開発環境・前提 - 言語: Server-side JavaScript (SSJS) - APIバージョン: intra-mart Accel Platform 最新版 - 実装形式: function run(input) { ... } の形式 # 必須要件(実装の指定) 以下の手順とAPIを正確に使用してください。 1. **Contexts.getUserContext()** を使用して、ログイン中のユーザのコンテキスト情報を一括で取得する。 2. 取得した `userContext` およびその中の `userProfile` が存在するかチェックする(存在しない場合はnullを返すエラーハンドリングを入れる)。 3. `userContext.userProfile` から以下の項目を抽出し、戻り値のオブジェクトとして返却する。 - userCd (userCodeとして返却) - userName (userNameとして返却) - emailAddress1 (emailAddressとして返却) # 制約事項 - JSDoc形式のコメント(@param, @return)を関数の上部に付与すること。 - 余計な外部ライブラリ(Identifierなど)は使わず、Contexts APIのみで完結させること。 # 出力形式 - スクリプトコードのみ
2.生成したプロンプトからスクリプトを生成
生成したプロンプトからスクリプトを作成してもらいます。
※今回、コード生成AIで紹介した「ChatGPT」を使用します。
/** * run. * * @param input {Object} - task input data. * @return {Object} task result. */ function run(input) { // ログイン中ユーザ情報を取得 var userContext = Contexts.getUserContext(); // userProfile が存在しない場合 if (!userContext || !userContext.userProfile) { return { userCode: null, userName: null, emailAddress: null }; } var profile = userContext.userProfile; // 戻り値 return { userCode: profile.userCd, userName: profile.userName, emailAddress: profile.emailAddress1 }; }
生成されたプロンプトで上記のようなスクリプトを作成することができました。
3.生成したスクリプトを実行
「ChatGPT」により生成されたスクリプトをIM-LogicDesignerで実行させます。

実行が正常に終了し、ユーザコード、ユーザ名、メールアドレスが出力されていることを確認できました。
※導入時の注意点
・機密情報の入力禁止
パブリックなAIを利用する場合、入力したプロンプトが学習データとして利用される可能性があります。 顧客情報、個人情報、社外秘のロジックなどは絶対に入力せず、今回のように「標準APIの使い方」などの汎用的な指示に留めてください。
・もっともらしい嘘への対策
AIは存在しないAPIや、古い仕様のコードを出力することがあります。 生成されたコードは必ず公式ドキュメント等と照らし合わせ、動作検証環境でテストを行ってください。
・著作権とライセンスの確認
生成されたコードにライセンス上の問題がないか、また自社の開発ガイドラインに沿っているかを確認してからプロジェクトへ適用してください。
おわりに
本記事では、目的別にAIを整理し、intra-martのAPIと組み合わせた活用イメージを紹介しました。 AI単体では業務は完結しませんが、連携することでより効率的に業務を遂行することができます。 まずは小さなユースケースから試し、徐々に適用範囲を広げていくことをおすすめします。








































